University of Minnesota Human Rights Center


国連総会決議38/28 一九八三年一一月二二日


 国連総会は、

 1977年12月16日の決議32/133および、国際障害者年への寛大な任意拠出による貢献をおこなうよう加盟各国に訴えた1979年12月17日の決議34/154を想起し、

 また、国際障害者年に対する国連信託基金へ各国政府や私人がおこなった貢献を歓迎し、さらに、障害者年の追跡を促進するであ ろう今後の任意拠出の貢献を訴えた1981年12月8日の決議36/77を想起し、

 およそ5億の人がある形態もしくは他の形態の障害をもっていると推定され、うち約4億の人が開発途上国にいると推定されていることに深刻な懸念を示し、

 国際障害者年が、あらゆるレベルの予防とリハビリテーションと同じく、障害者の機会均等化に関連した活動に正真正銘の、また、有意義な推進力を与えたことを確信し、

 世界のあらゆる地域に障害者団体が現れたこと、ならびに、それが障害をもつ人びとのイメージや状態に関しプラスの影響を与えていることに留意し、

 国際障害者年の効果的追跡を保障することが望ましいこと、また、もしもこれが達成されたならば、加盟各国、国連システムの諸機関や組織、非政府組織や障害者団体が、すでに着手している活動を継続し、また、新しい計画や活動を開始することが奨励されなければならないことを意識し、

 障害の予防、リハビリテーションおよび障害者の社会生活および社会の発展への「完全参加」と「平等」の目標の実現に対する効果的手段を推進する主たる責任は、個々の国にあ り、また、この点に関し、国際的行動は、国としての努力を支援したり支持することに向けられなければならないことを強調し、

 国際障害者年に対する諮問委員会がおこなった活動、とりわけ障害者に関する世界行動計画{64)}の構築への貢献に対する感謝を繰り返し、

 障害者に関する世界行動計画を採択した1982年12月3日の総会決議37/52、世界行動計画の第157項{65)}で、国際障害者のために総会によって設立された信託基金は開発途上国と障害者団体からの援助要請に応えることおよび、世界行動計画の実施をいっそうすすめるために使用されるべきであ ると述べられていること、第158項で、全体的に、世界行動計画の目的を実施するため、開発途上国に資源の流れを増加させる必要があ ることを示したこと、そのため、事務総長は任意拠出金を増大させる新しい方法や手段を探索し、資源の運用にとって必要な追跡手段をとるべきこと、また、政府や民間からの任意拠出の貢献が奨励されるべきことを想起し、

 さらに、国連システムは現在以上の資源をこの目的のために必要としないであろうことを理解した上で、長期活動プランとして1983年から1992年を国連障害者の10年と宣言し、また加盟各国に、この期間を障害者に関する世界行動計画を実施する手段の一つとして活用することを勧めた1982年12月3日の総会決議37/53を想起し、

 開発途上国が、とりわけ基本的ニーズに関するほかの優先順位の高いものへの緊急な要求に直面し、障害の予防、リハビリテーションおよび、障害をもつ数百万の人びとの機会均等化の分野における緊急なニーズをみたすため、十分な資源を動員することに困難が増大してきている事態に際会しつつあ ることを懸念し、

 国連障害者の10年が、障害者に関する世界行動計画の実施および、その重要性の広範な理解に強力なはずみを与えるべきであ ることを確信し、

 事務総長が、通常予算外の資源によって障害者に関する世界行動計画の実施や支援をするよう要請された、1983年5月26日の経済社会理事会決議1983/13を心に留め、

 各国政府、組織および個人によってすでになされた多くの寛大な任意拠出の貢献ならびに寄付申込みに深い感謝の念をもって留意し、

 障害者年とその後において、国際障害者年のための国際信託基金によって達成された諸結果に関する事務総長の報告{66)}に感謝の念をもって留意し、

 国際障害者年のための信託基金が、障害者に関する世界行動計画実施のための重要な一手段であ ることを認識しつつ、

1 障害者、とりわけ開発途上国の障害者のため、国連障害者の10年を通して国際障害者年のための信託基金を継続する必要性を認識し;

2 国際障害者年のための信託基金は、障害者に関する世界行動計画の以後の実施、任意拠出によるこうした活動への財政支出、国連障害者の10年のための信託基金の可能な設定期間、総会決議37/53にあ げられた特別委員会の設置と同じく、障害者のための技術協力支援サービス組織に関する総会決議36/77に含まれている諸規定の実施に関する勧告を含む筈であ る、第39回総会への事務総長報告が出されるまでその活動を継続すべきであることを決定し;

3 信託基金の運営が、国連事務局による障害問題に対する実質的責任の不可欠な一部として実行され続けなければならない必要性を強調し;

4 信託基金の資源が、国連障害者の10年の枠組み内で、障害者に関する世界行動計画の実施に向けて、また、障害をもつ人びとが彼ら自身を組織化することに向けて、総会決議36/77と37/53であ げられた技術協力のための支援・助言サービスと組織間特別委員会設置の支援に向けて、さらに、障害予防および障害をもつ人びとの進歩といった分野における地域委員会活動を強化することに向けて調整されるべきであ ることを勧告し;

5 事務総長に、障害者に関する世界行動計画の第158項{65)}に示された信託基金を強化するのに必要なステップに着手することと、これに予算外資源を入れることを要請し;

6 各国政府や民間に、信託基金への寛大な任意拠出の貢献を継続するよう訴え;

7 あらゆる加盟各国、あらゆる関連非政府組織および障害者団体、さらに国連システムのあ らゆる機関や組織に、現存する資源の再配分によって、障害者に関する世界行動計画の早期実施の確保を持続するよう要求し;

8 事務総長に、障害者に関する世界行動計画の実施についての国連総会への報告中に、信託基金による活動に関する部分を含めるよう要請する。

出典 http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/intl/un/unpwd/po56po91.html#082


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