University of Minnesota Human Rights Center

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年五月十五日法律第七十六号)

 

第一章 総則

 

 

 

 

第一条(目的)

 この法律は、育児休業及び介護休業に関する制度並びに子の看護休暇に関する制度を設けるとともに、子の養育及び家族の介護を容易にするため勤務時間等に関し事業主が講ずべき措置を定めるほか、子の養育又は家族の介護を行う労働者等に対する支援措置を講ずること等により、子の養育又は家族の介護を行う労働者等の雇用の継続及び再就職の促進を図り、もってこれらの者の職業生活と家庭生活との両立に寄与することを通じて、これらの者の福祉の増進を図り、あわせて経済及び社会の発展に資することを目的とする。

 

第二条(定義)

 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 一 育児休業 労働者(日々雇用される者を除く。以下この条、次章から第五章まで、第二十一条から第二十六条まで、第二十八条及び第二十九条において同じ。)が、次章に定めるところにより、その子を養育するためにする休業をいう。

 二 介護休業 労働者が、第三章に定めるところにより、その要介護状態にある対象家族を介護するためにする休業をいう。

 三 要介護状態 負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、厚生労働省令で定める期間にわたり常時介護を必要とする状態をいう。

 四 対象家族 配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この号及び第六十一条第三項(同条第六項から第八項までにおいて準用する場合を含む。)において同じ。)、父母及び子(これらの者に準ずる者として厚生労働省令で定めるものを含む。)並びに配偶者の父母をいう。

 五 家族 対象家族その他厚生労働省令で定める親族をいう。

 

第三条(基本的理念)

1 この法律の規定による子の養育又は家族の介護を行う労働者等の福祉の増進は、これらの者がそれぞれ職業生活の全期間を通じてその能力を有効に発揮して充実した職業生活を営むとともに、育児又は介護について家族の一員としての役割を円滑に果たすことができるようにすることをその本旨とする。

2 子の養育又は家族の介護を行うための休業をする労働者は、その休業後における就業を円滑に行うことができるよう必要な努力をするようにしなければならない。

 

第四条(関係者の責務)

 事業主並びに国及び地方公共団体は、前条に規定する基本的理念に従って、子の養育又は家族の介護を行う労働者等の福祉を増進するように努めなければならない。

 

第二章 育児休業

 

第五条(育児休業の申出

1 労働者は、その養育する一歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。ただし、期間を定めて雇用される者にあっては、次の各号のいずれにも該当するものに限り、当該申出をすることができる。

 一 当該事業主に引き続き雇用された期間が一年以上である者

 二 その養育する子が一歳に達する日(以下この条において「一歳到達日」という。)を超えて引き続き雇用されることが見込まれる者(当該子の一歳到達日から一年を経過する日までの間に、その労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことが明らかである者を除く。)

2 前項の規定にかかわらず、育児休業をしたことがある労働者は、当該育児休業を開始した日に養育していた子については、厚生労働省令で定める特別の事情がある場合を除き、前項の申出をすることができない。

3 労働者は、その養育する一歳から一歳六か月に達するまでの子について、次の各号のいずれにも該当する場合に限り、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。ただし、期間を定めて雇用される者であってその配偶者が当該子の一歳到達日において育児休業をしているものにあっては、第一項各号のいずれにも該当するものに限り、当該申出をすることができる。

 一 当該申出に係る子について、当該労働者又はその配偶者が、当該子の一歳到達日において育児休業をしている場合

 二 当該子の一歳到達日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当する場合

4 第一項及び前項の規定による申出(以下「育児休業申出」という。)は、厚生労働省令で定めるところにより、その期間中は育児休業をすることとする一の期間について、その初日(以下「育児休業開始予定日」という。)及び末日(以下「育児休業終了予定日」という。)とする日を明らかにして、しなければならない。この場合において、同項の規定による申出にあっては、当該申出に係る子の一歳到達日の翌日を育児休業開始予定日としなければならない。

5 第一項ただし書、第二項、第三項ただし書及び前項後段の規定は、期間を定めて雇用される者であって、その締結する労働契約の期間の末日を育児休業終了予定日(第七条第三項の規定により当該育児休業終了予定日が変更された場合にあっては、その変更後の育児休業終了予定日とされた日)とする育児休業をしているものが、当該育児休業に係る子について、当該労働契約の更新に伴い、当該更新後の労働契約の期間の初日を育児休業開始予定日とする育児休業申出をする場合には、これを適用しない。

 

第六条(育児休業申出があった場合における事業主の義務等)

1 事業主は、労働者からの育児休業申出があったときは、当該育児休業申出を拒むことができない。ただし、当該事業主と当該労働者が雇用される事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との書面による協定で、次に掲げる労働者のうち育児休業をすることができないものとして定められた労働者に該当する労働者からの育児休業申出があった場合は、この限りでない。

 一 当該事業主に引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者

 二 労働者の配偶者で当該育児休業申出に係る子の親であるものが、常態として当該子を養育することができるものとして厚生労働省令で定める者に該当する場合における当該労働者

 三 前二号に掲げるもののほか、育児休業をすることができないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの

2 前項ただし書の場合において、事業主にその育児休業申出を拒まれた労働者は、前条第一項及び第三項の規定にかかわらず、育児休業をすることができない。

3 事業主は、労働者からの育児休業申出があった場合において、当該育児休業申出に係る育児休業開始予定日とされた日が当該育児休業申出があった日の翌日から起算して一月(前条第三項の規定による申出にあっては二週間)を経過する日(以下この項において「一月等経過日」という。)前の日であるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該育児休業開始予定日とされた日から当該一月等経過日(当該育児休業申出があった日までに、出産予定日前に子が出生したことその他の厚生労働省令で定める事由が生じた場合にあっては、当該一月等経過日前の日で厚生労働省令で定める日)までの間のいずれかの日を当該育児休業開始予定日として指定することができる。

4 第一項ただし書及び前項の規定は、労働者が前条第五項に規定する育児休業申出をする場合には、これを適用しない。

 

第七条(育児休業開始予定日の変更の申出等)

1 第五条第一項の規定による申出をした労働者は、その後当該申出に係る育児休業開始予定日とされた日(前条第三項の規定による事業主の指定があった場合にあっては、当該事業主の指定した日。以下この項において同じ。)の前日までに、同条第三項の厚生労働省令で定める事由が生じた場合には、その事業主に申し出ることにより、当該申出に係る育児休業開始予定日を一回に限り当該育児休業開始予定日とされた日前の日に変更することができる。

2 事業主は、前項の規定による労働者からの申出があった場合において、当該申出に係る変更後の育児休業開始予定日とされた日が当該申出があった日の翌日から起算して一月を超えない範囲内で厚生労働省令で定める期間を経過する日(以下この項において「期間経過日」という。)前の日であるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該申出に係る変更後の育児休業開始予定日とされた日から当該期間経過日(その日が当該申出に係る変更前の育児休業開始予定日とされていた日(前条第三項の規定による事業主の指定があった場合にあっては、当該事業主の指定した日。以下この項において同じ。)以後の日である場合にあっては、当該申出に係る変更前の育児休業開始予定日とされていた日)までの間のいずれかの日を当該労働者に係る育児休業開始予定日として指定することができる。

3 育児休業申出をした労働者は、厚生労働省令で定める日までにその事業主に申し出ることにより、当該育児休業申出に係る育児休業終了予定日を一回に限り当該育児休業終了予定日とされた日後の日に変更することができる。

 

第八条(育児休業申出の撤回等

1 育児休業申出をした労働者は、当該育児休業申出に係る育児休業開始予定日とされた日(第六条第三項又は前条第二項の規定による事業主の指定があった場合にあっては当該事業主の指定した日、同条第一項の規定により育児休業開始予定日が変更された場合にあってはその変更後の育児休業開始予定日とされた日。第三項及び次条第一項において同じ。)の前日までは、当該育児休業申出を撤回することができる。

2 前項の規定により育児休業申出を撤回した労働者は、当該育児休業申出に係る子については、厚生労働省令で定める特別の事情がある場合を除き、第五条第一項及び第三項の規定にかかわらず、育児休業申出をすることができない。

3 育児休業申出がされた後育児休業開始予定日とされた日の前日までに、子の死亡その他の労働者が当該育児休業申出に係る子を養育しないこととなった事由として厚生労働省令で定める事由が生じたときは、当該育児休業申出は、されなかったものとみなす。この場合において、労働者は、その事業主に対して、当該事由が生じた旨を遅滞なく通知しなければならない。

 

第九条(育児休業期間)

1 育児休業申出をした労働者がその期間中は育児休業をすることができる期間(以下「育児休業期間」という。)は、育児休業開始予定日とされた日から育児休業終了予定日とされた日(第七条第三項の規定により当該育児休業終了予定日が変更された場合にあっては、その変更後の育児休業終了予定日とされた日。次項において同じ。)までの間とする。

2 次の各号に掲げるいずれかの事情が生じた場合には、育児休業期間は、前項の規定にかかわらず、当該事情が生じた日(第三号に掲げる事情が生じた場合にあっては、その前日)に終了する。

 一 育児休業終了予定日とされた日の前日までに、子の死亡その他の労働者が育児休業申出に係る子を養育しないこととなった事由として厚生労働省令で定める事由が生じたこと。

 二 育児休業終了予定日とされた日の前日までに、育児休業申出に係る子が一歳(第五条第三項の規定による申出により育児休業をしている場合にあっては、一歳六か月)に達したこと。

 三 育児休業終了予定日とされた日までに、育児休業申出をした労働者について、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項若しくは第二項の規定により休業する期間、第十五条第一項に規定する介護休業期間又は新たな育児休業期間が始まったこと。

3 前条第三項後段の規定は、前項第一号の厚生労働省令で定める事由が生じた場合について準用する。

 

第十条(不利益取扱いの禁止)

 事業主は、労働者が育児休業申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

   

第三章 介護休業

 

第十一条(介護休業の申出)

1 労働者は、その事業主に申し出ることにより、介護休業をすることができる。ただし、期間を定めて雇用される者にあっては、次の各号のいずれにも該当するものに限り、当該申出をすることができる。

 一 当該事業主に引き続き雇用された期間が一年以上である者

 二 第三項に規定する介護休業開始予定日から起算して九十三日を経過する日(以下この号において「九十三日経過日」という。)を超えて引き続き雇用されることが見込まれる者(九十三日経過日から一年を経過する日までの間に、その労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことが明らかである者を除く。)

2 前項の規定にかかわらず、介護休業をしたことがある労働者は、当該介護休業に係る対象家族が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該対象家族については、前項の規定による申出をすることができない。

 一 当該対象家族が、当該介護休業を開始した日から引き続き要介護状態にある場合(厚生労働省令で定める特別の事情がある場合を除く。)

 二 当該対象家族について次に掲げる日数を合算した日数(第十五条第一項及び第二十三条第二項において「介護休業等日数」という。)が九十三日に達している場合

  イ 介護休業をした日数(介護休業を開始した日から介護休業を終了した日までの日数とし、二以上の介護休業をした場合にあっては、介護休業ごとに、介護休業を開始した日から介護休業を終了した日までの日数を合算して得た日数とする。)

  ロ 第二十三条第二項の措置のうち勤務時間の短縮その他の措置であって厚生労働省令で定めるものが講じられた日数(当該措置のうち最初に講じられた措置が開始された日から最後に講じられた措置が終了した日までの日数(その間に介護休業をした期間があるときは、当該介護休業を開始した日から当該介護休業を終了した日までの日数を差し引いた日数)とし、二以上の要介護状態について当該措置が講じられた場合にあっては、要介護状態ごとに、当該措置のうち最初に講じられた措置が開始された日から最後に講じられた措置が終了した日までの日数(その間に介護休業をした期間があるときは、当該介護休業を開始した日から当該介護休業を終了した日までの日数を差し引いた日数)を合算して得た日数とする。)

3 第一項の規定による申出(以下「介護休業申出」という。)は、厚生労働省令で定めるところにより、介護休業申出に係る対象家族が要介護状態にあることを明らかにし、かつ、その期間中は当該対象家族に係る介護休業をすることとする一の期間について、その初日(以下「介護休業開始予定日」という。)及び末日(以下「介護休業終了予定日」という。)とする日を明らかにして、しなければならない。

4 第一項ただし書及び第二項(第二号を除く。)の規定は、期間を定めて雇用される者であって、その締結する労働契約の期間の末日を介護休業終了予定日(第十三条において準用する第七条第三項の規定により当該介護休業終了予定日が変更された場合にあっては、その変更後の介護休業終了予定日とされた日)とする介護休業をしているものが、当該介護休業に係る対象家族について、当該労働契約の更新に伴い、当該更新後の労働契約の期間の初日を介護休業開始予定日とする介護休業申出をする場合には、これを適用しない。

 

第十二条(介護休業申出があった場合における事業主の義務等)

1 事業主は、労働者からの介護休業申出があったときは、当該介護休業申出を拒むことができない。

2 第六条第一項ただし書(第二号を除く。)及び第二項の規定は、労働者からの介護休業申出があった場合について準用する。この場合において、同条第二項中「前項ただし書」とあるのは「第十二条第二項において準用する第六条第一項ただし書」と、「前条第一項及び第三項」とあるのは「第十一条第一項」と読み替えるものとする。

3 事業主は、労働者からの介護休業申出があった場合において、当該介護休業申出に係る介護休業開始予定日とされた日が当該介護休業申出があった日の翌日から起算して二週間を経過する日(以下この項において「二週間経過日」という。)前の日であるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該介護休業開始予定日とされた日から当該二週間経過日までの間のいずれかの日を当該介護休業開始予定日として指定することができる。

4 前二項の規定は、労働者が前条第四項に規定する介護休業申出をする場合には、これを適用しない。

 

第十三条(介護休業終了予定日の変更の申出)

 第七条第三項の規定は、介護休業終了予定日の変更の申出について準用する。

 

第十四条(介護休業申出の撤回等)

1 介護休業申出をした労働者は、当該介護休業申出に係る介護休業開始予定日とされた日(第十二条第三項の規定による事業主の指定があった場合にあっては、当該事業主の指定した日。第三項において準用する第八条第三項、次条第一項及び第二十三条第二項において同じ。)の前日までは、当該介護休業申出を撤回することができる。

2 前項の規定による介護休業申出の撤回がなされた場合において、当該撤回に係る対象家族についての介護休業申出については、当該撤回後になされる最初の介護休業申出を除き、事業主は、第十二条第一項の規定にかかわらず、これを拒むことができる。

3 第八条第三項の規定は、介護休業申出について準用する。この場合において、同項中「子」とあるのは「対象家族」と、「養育」とあるのは「介護」と読み替えるものとする。

 

第十五条(介護休業期間)

1 介護休業申出をした労働者がその期間中は介護休業をすることができる期間(以下「介護休業期間」という。)は、当該介護休業申出に係る介護休業開始予定日とされた日から介護休業終了予定日とされた日(その日が当該介護休業開始予定日とされた日から起算して九十三日から当該労働者の当該介護休業申出に係る対象家族についての介護休業等日数を差し引いた日数を経過する日より後の日であるときは、当該経過する日。第三項において同じ。)までの間とする。

2 この条において、介護休業終了予定日とされた日とは、第十三条において準用する第七条第三項の規定により当該介護休業終了予定日が変更された場合にあっては、その変更後の介護休業終了予定日とされた日をいう。

3 次の各号に掲げるいずれかの事情が生じた場合には、介護休業期間は、第一項の規定にかかわらず、当該事情が生じた日(第二号に掲げる事情が生じた場合にあっては、その前日)に終了する。

 一 介護休業終了予定日とされた日の前日までに、対象家族の死亡その他の労働者が介護休業申出に係る対象家族を介護しないこととなった事由として厚生労働省令で定める事由が生じたこと。

 二 介護休業終了予定日とされた日までに、介護休業申出をした労働者について、労働基準法第六十五条第一項若しくは第二項の規定により休業する期間、育児休業期間又は新たな介護休業期間が始まったこと。

4 第八条第三項後段の規定は、前項第一号の厚生労働省令で定める事由が生じた場合について準用する。

 

第十六条(準用

 第十条の規定は、介護休業申出及び介護休業について準用する。

   

第三章の二 子の看護休暇

 

第十六条の二(子の看護休暇の申出)

1 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、その事業主に申し出ることにより、一の年度において五労働日を限度として、負傷し、又は疾病にかかったその子の世話を行うための休暇(以下この章において「子の看護休暇」という。)を取得することができる。

2 前項の規定による申出は、厚生労働省令で定めるところにより、子の看護休暇を取得する日を明らかにして、しなければならない。

3 第一項の年度は、事業主が別段の定めをする場合を除き、四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わるものとする。

 

第十六条の三(子の看護休暇の申出があった場合における事業主の義務等)

1 事業主は、労働者からの前条第一項の規定による申出があったときは、当該申出を拒むことができない。

2 第六条第一項ただし書(第二号を除く。)及び第二項の規定は、労働者からの前条第一項の規定による申出があった場合について準用する。この場合において、第六条第一項第一号中「一年」とあるのは「六月」と、同条第二項中「前項ただし書」とあるのは「第十六条の三第二項において準用する第六条第一項ただし書」と、「前条第一項及び第三項」とあるのは「第十六条の二第一項」と読み替えるものとする。

 

第十六条の四(準用)

 第十条の規定は、第十六条の二第一項の規定による申出及び子の看護休暇について準用する。

 

第四章 時間外労働の制限

 

第十七条

1 事業主は、労働基準法第三十六条第一項本文の規定により同項に規定する労働時間(以下この条において単に「労働時間」という。)を延長することができる場合において、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者であって次の各号のいずれにも該当しないものが当該子を養育するために請求したときは、制限時間(一月について二十四時間、一年について百五十時間をいう。次項において同じ。)を超えて労働時間を延長してはならない。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は、この限りでない。

 一 当該事業主に引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者

 二 労働者の配偶者で当該請求に係る子の親であるものが、常態として当該子を養育することができるものとして厚生労働省令で定める者に該当する場合における当該労働者

 三 前二号に掲げるもののほか、当該請求をできないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの

2 前項の規定による請求は、厚生労働省令で定めるところにより、その期間中は制限時間を超えて労働時間を延長してはならないこととなる一の期間(一月以上一年以内の期間に限る。第四項において「制限期間」という。)について、その初日(以下この条において「制限開始予定日」という。)及び末日(同項において「制限終了予定日」という。)とする日を明らかにして、制限開始予定日の一月前までにしなければならない。

3 第一項の規定による請求がされた後制限開始予定日とされた日の前日までに、子の死亡その他の労働者が当該請求に係る子の養育をしないこととなった事由として厚生労働省令で定める事由が生じたときは、当該請求は、されなかったものとみなす。この場合において、労働者は、その事業主に対して、当該事由が生じた旨を遅滞なく通知しなければならない。

4 次の各号に掲げるいずれかの事情が生じた場合には、制限期間は、当該事情が生じた日(第三号に掲げる事情が生じた場合にあっては、その前日)に終了する。

 一 制限終了予定日とされた日の前日までに、子の死亡その他の労働者が第一項の規定による請求に係る子を養育しないこととなった事由として厚生労働省令で定める事由が生じたこと。

 二 制限終了予定日とされた日の前日までに、第一項の規定による請求に係る子が小学校就学の始期に達したこと。

 三 制限終了予定日とされた日までに、第一項の規定による請求をした労働者について、労働基準法第六十五条第一項若しくは第二項の規定により休業する期間、育児休業期間又は介護休業期間が始まったこと。

5 第三項後段の規定は、前項第一号の厚生労働省令で定める事由が生じた場合について準用する。

 

第十八条

1 前条第一項(第二号を除く。)、第二項、第三項及び第四項(第二号を除く。)の規定は、要介護状態にある対象家族を介護する労働者について準用する。この場合において、同条第一項中「当該子を養育する」とあるのは「当該対象家族を介護する」と、同条第三項及び第四項第一号中「子」とあるのは「対象家族」と、「養育」とあるのは「介護」と読み替えるものとする。

2 前条第三項後段の規定は、前項において準用する同条第四項第一号の厚生労働省令で定める事由が生じた場合について準用する。

   

第五章 深夜業の制限

 

第十九条

1 事業主は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者であって次の各号のいずれにも該当しないものが当該子を養育するために請求した場合においては、午後十時から午前五時までの間(以下この条において「深夜」という。)において労働させてはならない。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は、この限りでない。

 一 当該事業主に引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者

 二 当該請求に係る深夜において、常態として当該子を保育することができる当該子の同居の家族その他の厚生労働省令で定める者がいる場合における当該労働者

 三 前二号に掲げるもののほか、当該請求をできないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの

2 前項の規定による請求は、厚生労働省令で定めるところにより、その期間中は深夜において労働させてはならないこととなる一の期間(一月以上六月以内の期間に限る。第四項において「制限期間」という。)について、その初日(以下この条において「制限開始予定日」という。)及び末日(同項において「制限終了予定日」という。)とする日を明らかにして、制限開始予定日の一月前までにしなければならない。

3 第一項の規定による請求がされた後制限開始予定日とされた日の前日までに、子の死亡その他の労働者が当該請求に係る子の養育をしないこととなった事由として厚生労働省令で定める事由が生じたときは、当該請求は、されなかったものとみなす。この場合において、労働者は、その事業主に対して、当該事由が生じた旨を遅滞なく通知しなければならない。

4 次の各号に掲げるいずれかの事情が生じた場合には、制限期間は、当該事情が生じた日(第三号に掲げる事情が生じた場合にあっては、その前日)に終了する。

 一 制限終了予定日とされた日の前日までに、子の死亡その他の労働者が第一項の規定による請求に係る子を養育しないこととなった事由として厚生労働省令で定める事由が生じたこと。

 二 制限終了予定日とされた日の前日までに、第一項の規定による請求に係る子が小学校就学の始期に達したこと。

 三 制限終了予定日とされた日までに、第一項の規定による請求をした労働者について、労働基準法第六十五条第一項若しくは第二項の規定により休業する期間、育児休業期間又は介護休業期間が始まったこと。

5 第三項後段の規定は、前項第一号の厚生労働省令で定める事由が生じた場合について準用する。

 

第二十条

1 前条第一項から第三項まで及び第四項(第二号を除く。)の規定は、要介護状態にある対象家族を介護する労働者について準用する。この場合において、同条第一項中「当該子を養育する」とあるのは「当該対象家族を介護する」と、同項第二号中「子」とあるのは「対象家族」と、「保育」とあるのは「介護」と、同条第三項及び第四項第一号中「子」とあるのは「対象家族」と、「養育」とあるのは「介護」と読み替えるものとする。

2 前条第三項後段の規定は、前項において準用する同条第四項第一号の厚生労働省令で定める事由が生じた場合について準用する。

 

第六章 事業主が講ずべき措置

 

第二十一条(育児休業等に関する定めの周知等の措置)

1 事業主は、育児休業及び介護休業に関して、あらかじめ、次に掲げる事項を定めるとともに、これを労働者に周知させるための措置を講ずるよう努めなければならない。

 一 労働者の育児休業及び介護休業中における待遇に関する事項

 二 育児休業及び介護休業後における賃金、配置その他の労働条件に関する事項

 三 前二号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項

2 事業主は、労働者が育児休業申出又は介護休業申出をしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者に対し、前項各号に掲げる事項に関する当該労働者に係る取扱いを明示するよう努めなければならない。

 

第二十二条(雇用管理等に関する措置

 事業主は、育児休業申出及び介護休業申出並びに育児休業及び介護休業後における就業が円滑に行われるようにするため、育児休業又は介護休業をする労働者が雇用される事業所における労働者の配置その他の雇用管理、育児休業又は介護休業をしている労働者の職業能力の開発及び向上等に関して、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

 

第二十三条(勤務時間の短縮等の措置等)

1 事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、その雇用する労働者のうち、その一歳(当該労働者が第五条第三項の申出をすることができる場合にあっては、一歳六か月。以下この項において同じ。)に満たない子を養育する労働者で育児休業をしないものにあっては労働者の申出に基づく勤務時間の短縮その他の当該労働者が就業しつつその子を養育することを容易にするための措置(以下この項及び次条第一項において「勤務時間の短縮等の措置」という。)を、その雇用する労働者のうち、その一歳から三歳に達するまでの子を養育する労働者にあっては育児休業の制度に準ずる措置又は勤務時間の短縮等の措置を講じなければならない。

2 事業主は、その雇用する労働者のうち、その要介護状態にある対象家族を介護する労働者に関して、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の申出に基づく連続する九十三日の期間(当該労働者の雇入れの日から当該連続する期間の初日の前日までの期間における介護休業等日数が一以上である場合にあっては、九十三日から当該介護休業等日数を差し引いた日数の期間とし、当該労働者が当該対象家族の当該要介護状態について介護休業をしたことがある場合にあっては、当該連続する期間は、当該対象家族の当該要介護状態について開始された最初の介護休業に係る介護休業開始予定日とされた日から起算した連続する期間のうち当該労働者が介護休業をしない期間とする。)以上の期間における勤務時間の短縮その他の当該労働者が就業しつつその要介護状態にある対象家族を介護することを容易にするための措置を講じなければならない。

 

第二十四条(三歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者等に関する措置)

1 事業主は、その雇用する労働者のうち、その三歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、育児休業の制度又は勤務時間の短縮等の措置に準じて、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

2 事業主は、その雇用する労働者のうち、その家族を介護する労働者に関して、介護休業の制度又は前条第二項に定める措置に準じて、その介護を必要とする期間、回数等に配慮した必要な措置を講ずるように努めなければならない。

 

第二十五条 削除

 

第二十六条(労働者の配置に関する配慮)

 事業主は、その雇用する労働者の配置の変更で就業の場所の変更を伴うものをしようとする場合において、その就業の場所の変更により就業しつつその子の養育又は家族の介護を行うことが困難となることとなる労働者がいるときは、当該労働者の子の養育又は家族の介護の状況に配慮しなければならない。

 

第二十七条(再雇用特別措置等)

 事業主は、妊娠、出産若しくは育児又は介護を理由として退職した者(以下「育児等退職者」という。)について、必要に応じ、再雇用特別措置(育児等退職者であって、その退職の際に、その就業が可能となったときに当該退職に係る事業の事業主に再び雇用されることの希望を有する旨の申出をしていたものについて、当該事業主が、労働者の募集又は採用に当たって特別の配慮をする措置をいう。第三十条及び第三十九条第一項第一号において同じ。)その他これに準ずる措置を実施するよう努めなければならない。

 

第二十八条(指針)

 厚生労働大臣は、第二十一条から前条までの規定に基づき事業主が講ずべき措置及び子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべきその他の措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るための指針となるべき事項を定め、これを公表するものとする。

 

第二十九条(職業家庭両立推進者)

 事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、第二十一条から第二十七条までに定める措置及び子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために講ずべきその他の措置の適切かつ有効な実施を図るための業務を担当する者(第三十九条第一項第五号において「職業家庭両立推進者」という。)を選任するように努めなければならない。

   

第七章 対象労働者等に対する支援措置

 

第一節 国等による援助

第三十条(事業主等に対する援助)

 国は、子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者(以下「対象労働者」という。)及び育児等退職者(以下「対象労働者等」と総称する。)の雇用の継続、再就職の促進その他これらの者の福祉の増進を図るため、事業主、事業主の団体その他の関係者に対して、対象労働者の雇用される事業所における雇用管理、再雇用特別措置その他の措置についての相談及び助言、給付金の支給その他の必要な援助を行うことができる。

 

第三十一条(相談、講習等)

1 国は、対象労働者に対して、その職業生活と家庭生活との両立の促進等に資するため、必要な指導、相談、講習その他の措置を講ずるものとする。

2 地方公共団体は、国が講ずる前項の措置に準じた措置を講ずるように努めなければならない。

 

第三十二条(再就職の援助)

 国は、育児等退職者に対して、その希望するときに再び雇用の機会が与えられるようにするため、職業指導、職業紹介、職業能力の再開発の措置その他の措置が効果的に関連して実施されるように配慮するとともに、育児等退職者の円滑な再就職を図るため必要な援助を行うものとする。

 

第三十三条(職業生活と家庭生活との両立に関する理解を深めるための措置)

 国は、対象労働者等の職業生活と家庭生活との両立を妨げている職場における慣行その他の諸要因の解消を図るため、対象労働者等の職業生活と家庭生活との両立に関し、事業主、労働者その他国民一般の理解を深めるために必要な広報活動その他の措置を講ずるものとする。

 

第三十四条(勤労者家庭支援施設)

1 地方公共団体は、必要に応じ、勤労者家庭支援施設を設置するように努めなければならない。

2 勤労者家庭支援施設は、対象労働者等に対して、職業生活と家庭生活との両立に関し、各種の相談に応じ、及び必要な指導、講習、実習等を行い、並びに休養及びレクリエーションのための便宜を供与する等対象労働者等の福祉の増進を図るための事業を総合的に行うことを目的とする施設とする。

3 厚生労働大臣は、勤労者家庭支援施設の設置及び運営についての望ましい基準を定めるものとする。

4 国は、地方公共団体に対して、勤労者家庭支援施設の設置及び運営に関し必要な助言、指導その他の援助を行うことができる。

 

第三十五条(勤労者家庭支援施設指導員)

1 勤労者家庭支援施設には、対象労働者等に対する相談及び指導の業務を担当する職員(次項において「勤労者家庭支援施設指導員」という。)を置くように努めなければならない。

2 勤労者家庭支援施設指導員は、その業務について熱意と識見を有し、かつ、厚生労働大臣が定める資格を有する者のうちから選任するものとする。

    

第二節 指定法人

第三十六条(指定等

1 厚生労働大臣は、対象労働者等の福祉の増進を図ることを目的として設立された民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の法人であって、第三十八条に規定する業務に関し次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、全国に一を限って、同条に規定する業務を行う者として指定することができる。

 一 職員、業務の方法その他の事項についての業務の実施に関する計画が適正なものであり、かつ、その計画を確実に遂行するに足りる経理的及び技術的な基礎を有すると認められること。

 二 前号に定めるもののほか、業務の運営が適正かつ確実に行われ、対象労働者等の福祉の増進に資すると認められること。

2 厚生労働大臣は、前項の規定による指定をしたときは、同項の規定による指定を受けた者(以下「指定法人」という。)の名称及び住所並びに事務所の所在地を公示しなければならない。

3 指定法人は、その名称及び住所並びに事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。

4 厚生労働大臣は、前項の規定による届出があったときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。

 

第三十七条(指定の条件)

1 前条第一項の規定による指定には、条件を付け、及びこれを変更することができる。

2 前項の条件は、当該指定に係る事項の確実な実施を図るために必要な最小限度のものに限り、かつ、当該指定を受ける者に不当な義務を課することとなるものであってはならない。

 

第三十八条(業務)

 指定法人は、次に掲げる業務を行うものとする。

 一 対象労働者等の職業生活及び家庭生活に関する調査研究を行うこと。

 二 対象労働者等の職業生活及び家庭生活に関する情報及び資料を総合的に収集し、並びに対象労働者等、事業主その他の関係者に対して提供すること。

 三 次条第一項に規定する業務を行うこと。

 四 前三号に掲げるもののほか、対象労働者等の福祉の増進を図るために必要な業務を行うこと。

 

第三十九条(指定法人による福祉関係業務の実施)

1 厚生労働大臣は、指定法人を指定したときは、指定法人に第三十条から第三十四条までに規定する国の行う業務のうち次に掲げる業務(以下「福祉関係業務」という。)の全部又は一部を行わせるものとする。

 一 対象労働者の雇用管理及び再雇用特別措置に関する技術的事項について、事業主その他の関係者に対し、相談その他の援助を行うこと。

 二 第三十条の給付金であって厚生労働省令で定めるものを支給すること。

 三 対象労働者に対し、その職業生活と家庭生活との両立に関して必要な相談、講習その他の援助を行うこと。

 四 育児等退職者に対し、再就職のための援助を行うこと。

 五 職業家庭両立推進者に対して、第二十九条に規定する業務を円滑に実施するために必要な知識を習得させるための研修を行うこと。

 六 対象労働者等の職業生活と家庭生活との両立に関する理解を深めるための広報活動その他の業務を行うこと。

 七 前各号に掲げるもののほか、対象労働者等の雇用の継続、再就職の促進その他これらの者の福祉の増進を図るために必要な業務を行うこと。

2 前項第二号の給付金の支給要件及び支給額は、厚生労働省令で定めなければならない。

3 指定法人は、福祉関係業務の全部又は一部を開始する際、当該業務の種類ごとに、当該業務を開始する日及び当該業務を行う事務所の所在地を厚生労働大臣に届け出なければならない。指定法人が当該業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときも、同様とする。

4 厚生労働大臣は、第一項の規定により指定法人に行わせる福祉関係業務の種類及び前項の規定による届出に係る事項を公示しなければならない。

 

第四十条(業務規程の認可)

1 指定法人は、福祉関係業務を行うときは、当該業務の開始前に、当該業務の実施に関する規程(以下「業務規程」という。)を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 厚生労働大臣は、前項の認可をした業務規程が福祉関係業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。

3 業務規程に記載すべき事項は、厚生労働省令で定める。

 

第四十一条(福祉関係給付金の支給に係る厚生労働大臣の認可)

 指定法人は、福祉関係業務のうち第三十九条第一項第二号に係る業務(次条及び第四十八条において「給付金業務」という。)を行う場合において、自ら同号の給付金の支給を受けようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。

 

第四十二条(報告)

 指定法人は、給付金業務を行う場合において当該業務に関し必要があると認めるときは、事業主に対し、必要な事項について報告を求めることができる。

 

第四十三条(事業計画等)

1 指定法人は、毎事業年度、厚生労働省令で定めるところにより、事業計画書及び収支予算書を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 指定法人は、厚生労働省令で定めるところにより、毎事業年度終了後、事業報告書、貸借対照表、収支決算書及び財産目録を作成し、厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。

 

第四十四条(区分経理)

 指定法人は、福祉関係業務を行う場合には、福祉関係業務に係る経理とその他の業務に係る経理とを区分して整理しなければならない。

 

第四十五条(交付金)

 国は、予算の範囲内において、指定法人に対し、福祉関係業務に要する費用の全部又は一部に相当する金額を交付することができる。

 

第四十六条(厚生労働省令への委任)

 この節に定めるもののほか、指定法人が福祉関係業務を行う場合における指定法人の財務及び会計に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

 

第四十七条(役員の選任及び解任)

1 指定法人の役員の選任及び解任は、厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2 指定法人の役員が、この節の規定(当該規定に基づく命令及び処分を含む。)若しくは第四十条第一項の規定により認可を受けた業務規程に違反する行為をしたとき、又は第三十八条に規定する業務に関し著しく不適当な行為をしたときは、厚生労働大臣は、指定法人に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。

 

第四十八条(役員及び職員の公務員たる性質)

 給付金業務に従事する指定法人の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

第四十九条(報告及び検査)

1 厚生労働大臣は、第三十八条に規定する業務の適正な運営を確保するために必要な限度において、指定法人に対し、同条に規定する業務若しくは資産の状況に関し必要な報告をさせ、又は所属の職員に、指定法人の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

 

第五十条(監督命令)

 厚生労働大臣は、この節の規定を施行するために必要な限度において、指定法人に対し、第三十八条に規定する業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

 

第五十一条(指定の取消し等)

1 厚生労働大臣は、指定法人が次の各号のいずれかに該当するときは、第三十六条第一項の規定による指定(以下「指定」という。)を取り消し、又は期間を定めて第三十八条に規定する業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 一 第三十八条に規定する業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。

 二 指定に関し不正の行為があったとき。

 三 この節の規定又は当該規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。

 四 第三十七条第一項の条件に違反したとき。

 五 第四十条第一項の規定により認可を受けた業務規程によらないで福祉関係業務を行ったとき。

2 厚生労働大臣は、前項の規定により、指定を取り消し、又は第三十八条に規定する業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。

 

第五十二条(厚生労働大臣による福祉関係業務の実施)

1 厚生労働大臣は、前条第一項の規定により、指定を取り消し、若しくは福祉関係業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定法人が福祉関係業務を行うことが困難となった場合において必要があると認めるときは、当該福祉関係業務を自ら行うものとする。

2 厚生労働大臣は、前項の規定により福祉関係業務を行うものとし、又は同項の規定により行っている福祉関係業務を行わないものとするときは、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。

3 厚生労働大臣が、第一項の規定により福祉関係業務を行うものとし、又は同項の規定により行っている福祉関係業務を行わないものとする場合における当該福祉関係業務の引継ぎその他の必要な事項は、厚生労働省令で定める。

   

第八章 雑則

 

第五十三条(育児休業等取得者の業務を処理するために必要な労働者の募集の特例)

1 認定中小企業団体の構成員たる中小企業者が、当該認定中小企業団体をして育児休業又は介護休業(これらに準ずる休業を含む。以下この項において同じ。)をする労働者の当該育児休業又は介護休業をする期間について当該労働者の業務を処理するために必要な労働者の募集を行わせようとする場合において、当該認定中小企業団体が当該募集に従事しようとするときは、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第三十六条第一項及び第三項の規定は、当該構成員たる中小企業者については、適用しない。

2 この条及び次条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 一 中小企業者 中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律(平成三年法律第五十七号)第二条第一項に規定する中小企業者をいう。

 二 認定中小企業団体 中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律第二条第二項に規定する事業協同組合等であって、その構成員たる中小企業者に対し、第二十二条の事業主が講ずべき措置その他に関する相談及び援助を行うものとして、当該事業協同組合等の申請に基づき厚生労働大臣がその定める基準により適当であると認定したものをいう。

3 厚生労働大臣は、認定中小企業団体が前項第二号の相談及び援助を行うものとして適当でなくなったと認めるときは、同号の認定を取り消すことができる。

4 第一項の認定中小企業団体は、当該募集に従事しようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、募集時期、募集人員、募集地域その他の労働者の募集に関する事項で厚生労働省令で定めるものを厚生労働大臣に届け出なければならない。

5 職業安定法第三十七条第二項の規定は前項の規定による届出があった場合について、同法第五条の三第一項及び第三項、第五条の四、第三十九条、第四十一条第二項、第四十八条の三、第四十八条の四、第五十条第一項及び第二項並びに第五十一条の二の規定は前項の規定による届出をして労働者の募集に従事する者について、同法第四十条の規定は同項の規定による届出をして労働者の募集に従事する者に対する報酬の供与について、同法第五十条第三項及び第四項の規定はこの項において準用する同条第二項に規定する職権を行う場合について準用する。この場合において、同法第三十七条第二項中「労働者の募集を行おうとする者」とあるのは「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第五十三条第四項の規定による届出をして労働者の募集に従事しようとする者」と、同法第四十一条第二項中「当該労働者の募集の業務の廃止を命じ、又は期間」とあるのは「期間」と読み替えるものとする。

6 職業安定法第三十六条第二項及び第四十二条の二の規定の適用については、同法第三十六条第二項中「前項の」とあるのは「被用者以外の者をして労働者の募集に従事させようとする者がその被用者以外の者に与えようとする」と、同法第四十二条の二中「第三十九条に規定する募集受託者」とあるのは「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第五十三条第四項の規定による届出をして労働者の募集に従事する者」とする。

7 厚生労働大臣は、認定中小企業団体に対し、第二項第二号の相談及び援助の実施状況について報告を求めることができる。

 

第五十四条

 公共職業安定所は、前条第四項の規定により労働者の募集に従事する認定中小企業団体に対して、雇用情報、職業に関する調査研究の成果等を提供し、かつ、これに基づき当該募集の内容又は方法について指導することにより、当該募集の効果的かつ適切な実施の促進に努めなければならない。

 

第五十五条(調査等)

1 厚生労働大臣は、対象労働者等の職業生活と家庭生活との両立の促進等に資するため、これらの者の雇用管理、職業能力の開発及び向上その他の事項に関し必要な調査研究を実施するものとする。

2 厚生労働大臣は、この法律の施行に関し、関係行政機関の長に対して、資料の提供その他必要な協力を求めることができる。

3 厚生労働大臣は、この法律の施行に関し、都道府県知事から必要な調査報告を求めることができる。

 

第五十六条(報告の徴収並びに助言、指導及び勧告)

 厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができる。

 

第五十七条(労働政策審議会への諮問)

 厚生労働大臣は、第二条第三号から第五号まで、第五条第二項及び第三項第二号、第六条第一項第二号及び第三号(第十二条第二項及び第十六条の三第二項において準用する場合を含む。)並びに第三項、第七条第二項及び第三項(第十三条において準用する場合を含む。)、第八条第二項及び第三項(第十四条第三項において準用する場合を含む。)、第九条第二項第一号、第十一条第二項第一号及び第二号ロ、第十二条第三項、第十五条第三項第一号、第十七条第一項第二号並びに同項第三号並びに同条第三項及び第四項第一号(これらの規定を第十八条第一項において準用する場合を含む。)、第十九条第一項第二号及び第三号、第三項並びに第四項第一号(これらの規定を第二十条第一項において準用する場合を含む。)、第二十三条並びに第三十九条第一項第二号及び第二項の厚生労働省令の制定又は改正の立案をしようとするとき、第二十八条の指針を策定しようとするとき、その他この法律の施行に関する重要事項について決定しようとするときは、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならない。

 

第五十八条(権限の委任)

 この法律に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。

 

第五十九条(厚生労働省令への委任)

 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のために必要な手続その他の事項は、厚生労働省令で定める。

 

第六十条(船員に関する特例)

1 第四章、第三十六条から第五十四条まで及び第六十二条から第六十七条までの規定は、船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)第六条第一項に規定する船員になろうとする者及び船員法(昭和二十二年法律第百号)の適用を受ける船員(次項において「船員等」という。)に関しては、適用しない。

2 船員等に関しては、第二条第三号から第五号まで、第五条第二項、第三項第二号及び第四項、第六条第一項第二号及び第三号(第十二条第二項及び第十六条の三第二項において準用する場合を含む。)並びに第三項、第七条(第十三条において準用する場合を含む。)、第八条第二項及び第三項(第十四条第三項において準用する場合を含む。)、第九条第二項第一号及び第三項、第十一条第二項第一号及び第二号ロ並びに第三項、第十二条第三項、第十五条第三項第一号及び第四項、第十六条の二第二項、第十九条第一項第二号及び第三号、第二項、第三項並びに第四項第一号(これらの規定を第二十条第一項において準用する場合を含む。)並びに第十九条第五項、第二十条第二項、第二十一条第一項第三号及び第二項、第二十三条、第二十九条、第五十七条、第五十八条並びに前条中「厚生労働省令」とあるのは「国土交通省令」と、第九条第二項第三号中「労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項若しくは第二項の規定により休業する」とあるのは「船員法(昭和二十二年法律第百号)第八十七条第一項若しくは第二項の規定により作業に従事しない」と、第十五条第三項第二号及び第十九条第四項第三号中「労働基準法第六十五条第一項若しくは第二項の規定により休業する」とあるのは「船員法第八十七条第一項若しくは第二項の規定により作業に従事しない」と、第二十八条及び第五十五条から第五十八条までの規定中「厚生労働大臣」とあるのは「国土交通大臣」と、第五十七条中「第三項第一号、第十七条第一項第二号並びに同項第三号並びに同条第三項及び第四項第一号(これらの規定を第十八条第一項において準用する場合を含む。)」とあるのは「第三項第一号」と、「、第二十三条並びに第三十九条第一項第二号及び第二項」とあるのは「並びに第二十三条」と、「労働政策審議会」とあるのは「船員中央労働委員会」と、第五十八条中「都道府県労働局長」とあるのは「地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)」とする。

 

第六十一条(公務員に関する特例)

1 第二章から第六章まで、第三十条、第五十三条、第五十四条、第五十六条、前条、次条、第六十三条及び第六十五条の規定は、国家公務員及び地方公務員に関しては、適用しない。

2 国家公務員及び地方公務員に関しては、第三十二条中「育児等退職者」とあるのは「育児等退職者(第二十七条に規定する育児等退職者をいう。以下同じ。)」と、第三十四条第二項中「対象労働者等」とあるのは「対象労働者等(第三十条に規定する対象労働者等をいう。以下同じ。)」とする。

3 国有林野事業を行う国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法(昭和二十九年法律第百四十一号。以下この条において「給特法」という。)の適用を受ける国家公務員(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第八十一条の五第一項に規定する短時間勤務の官職を占める者以外の常時勤務することを要しない国家公務員を除く。以下この条において同じ。)は、給特法第四条に規定する農林水産大臣又は政令の定めるところによりその委任を受けた者(以下「農林水産大臣等」という。)の承認を受けて、当該国家公務員の配偶者、父母、子又は配偶者の父母であって負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により第二条第三号の厚生労働省令で定める期間にわたり日常生活を営むのに支障があるもの(以下この条において「要介護家族」という。)の介護をするため、休業をすることができる。

4 前項の規定により休業をすることができる期間は、要介護家族の各々が同項に規定する介護を必要とする一の継続する状態ごとに、連続する三月の期間内において必要と認められる期間とする。

5 農林水産大臣等は、第三項の規定による休業の承認を受けようとする国家公務員からその承認の請求があったときは、当該請求に係る期間のうち公務の運営に支障があると認められる日又は時間を除き、これを承認しなければならない。

6 前三項の規定は、独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第二項に規定する特定独立行政法人の職員(国家公務員法第八十一条の五第一項に規定する短時間勤務の官職を占める者以外の常時勤務することを要しない職員を除く。以下この条において「特定独立行政法人職員」という。)について準用する。この場合において、第三項中「国有林野事業を行う国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法(昭和二十九年法律第百四十一号。以下この条において「給特法」という。)の適用を受ける国家公務員」とあるのは「独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第二項に規定する特定独立行政法人(以下この条において「特定独立行政法人」という。)の職員」と、「要しない国家公務員」とあるのは「要しない職員」と、「給特法第四条に規定する農林水産大臣又は政令の定めるところによりその委任を受けた者(以下「農林水産大臣等」という。)」とあるのは「当該職員の勤務する特定独立行政法人の長」と、「当該国家公務員」とあるのは「当該職員」と、前項中「農林水産大臣等」とあるのは「特定独立行政法人の長」と、「国家公務員」とあるのは「職員」と読み替えるものとする。

7 第三項から第五項までの規定は、日本郵政公社の職員(国家公務員法第八十一条の五第一項に規定する短時間勤務の官職を占める者以外の常時勤務することを要しない職員を除く。以下この条において「日本郵政公社職員」という。)について準用する。この場合において、第三項中「国有林野事業を行う国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法(昭和二十九年法律第百四十一号。以下この条において「給特法」という。)の適用を受ける国家公務員」とあるのは「日本郵政公社の職員」と、「要しない国家公務員」とあるのは「要しない職員」と、「給特法第四条に規定する農林水産大臣又は政令の定めるところによりその委任を受けた者(以下「農林水産大臣等」という。)」とあるのは「日本郵政公社の総裁」と、「当該国家公務員」とあるのは「当該職員」と、第五項中「農林水産大臣等」とあるのは「日本郵政公社の総裁」と、「国家公務員」とあるのは「職員」と読み替えるものとする。

8 第三項から第五項までの規定は、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第四条第一項に規定する職員(同法第二十八条の五第一項に規定する短時間勤務の職を占める職員以外の非常勤職員を除く。以下この条において同じ。)がその要介護家族の介護をするための休業について準用する。この場合において、第三項中「給特法第四条に規定する農林水産大臣又は政令の定めるところによりその委任を受けた者(以下「農林水産大臣等」という。)」とあるのは「地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第六条第一項に規定する任命権者又はその委任を受けた者(地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第三十七条第一項に規定する県費負担教職員については、市町村の教育委員会。以下同じ。)」と、第五項中「農林水産大臣等」とあるのは「地方公務員法第六条第一項に規定する任命権者又はその委任を受けた者」と読み替えるものとする。

9 給特法の適用を受ける国家公務員であって小学校就学の始期に達するまでの子を養育するものは、農林水産大臣等の承認を受けて、負傷し、又は疾病にかかったその子の世話を行うため、休暇を取得することができる。

10 前項の規定により休暇を取得することができる日数は、一の年において五日とする。

11 農林水産大臣等は、第九項の規定による休暇の承認を受けようとする国家公務員からその承認の請求があったときは、公務の運営に支障があると認められる場合を除き、これを承認しなければならない。

12 前三項の規定は、特定独立行政法人職員について準用する。この場合において、第九項中「給特法 の適用を受ける国家公務員」とあるのは「特定独立行政法人職員」と、「農林水産大臣等」とあるのは「当該特定独立行政法人職員の勤務する独立行政法人通則法第二条第二項に規定する特定独立行政法人の長」と、前項中「農林水産大臣等」とあるのは「独立行政法人通則法第二条第二項に規定する特定独立行政法人の長」と、「国家公務員」とあるのは「特定独立行政法人職員」と読み替えるものとする。

13 第九項から第十一項までの規定は、日本郵政公社職員について準用する。この場合において、第九項中「給特法の適用を受ける国家公務員」とあるのは「日本郵政公社職員」と、「農林水産大臣等」とあるのは「日本郵政公社の総裁」と、第十一項中「農林水産大臣等」とあるのは「日本郵政公社の総裁」と、「国家公務員」とあるのは「日本郵政公社職員」と読み替えるものとする。

14 第九項から第十一項までの規定は、地方公務員法第四条第一項に規定する職員について準用する。この場合において、第九項中「給特法の適用を受ける国家公務員」とあるのは「地方公務員法第四条第一項に規定する職員」と、「農林水産大臣等」とあるのは「同法第六条第一項に規定する任命権者又はその委任を受けた者(地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第三十七条第一項に規定する県費負担教職員については、市町村の教育委員会。以下同じ。)」と、第十一項中「農林水産大臣等」とあるのは「地方公務員法第六条第一項に規定する任命権者又はその委任を受けた者」と、「国家公務員」とあるのは「同法第四条第一項に規定する職員」と読み替えるものとする。

15 農林水産大臣等は、給特法の適用を受ける国家公務員について労働基準法第三十六条第一項本文の規定により同項に規定する労働時間を延長することができる場合において、当該給特法の適用を受ける国家公務員であって小学校就学の始期に達するまでの子を養育するもの(第十七条第一項の規定を適用するとしたならば同項各号のいずれにも該当しないものに限る。)が当該子を養育するために請求した場合で公務の運営に支障がないと認めるときは、その者について、制限時間(同項に規定する制限時間をいう。以下この条において同じ。)を超えて当該労働時間を延長して勤務しないことを承認しなければならない。

16 前項の規定は、給特法の適用を受ける国家公務員であって要介護家族を介護するものについて準用する。この場合において、同項中「第十七条第一項」とあるのは「第十八条第一項において準用する第十七条第一項」と、「同項各号」とあるのは「第十八条第一項において準用する第十七条第一項第一号又は第三号」と、「当該子を養育する」とあるのは「当該要介護家族を介護する」と読み替えるものとする。

17 独立行政法人通則法第二条第二項に規定する特定独立行政法人の長は、特定独立行政法人職員について労働基準法第三十六条第一項本文の規定により同項に規定する労働時間を延長することができる場合において、当該特定独立行政法人職員であって小学校就学の始期に達するまでの子を養育するもの(第十七条第一項の規定を適用するとしたならば同項各号のいずれにも該当しないものに限る。)が当該子を養育するために請求した場合で業務の運営に支障がないと認めるときは、その者について、制限時間を超えて当該労働時間を延長して勤務しないことを承認しなければならない。

18 前項の規定は、特定独立行政法人職員であって要介護家族を介護するものについて準用する。この場合において、同項中「第十七条第一項」とあるのは「第十八条第一項において準用する第十七条第一項」と、「同項各号」とあるのは「第十八条第一項において準用する第十七条第一項第一号又は第三号」と、「当該子を養育する」とあるのは「当該要介護家族を介護する」と読み替えるものとする。

19 日本郵政公社の総裁は、日本郵政公社職員について労働基準法第三十六条第一項本文の規定により同項に規定する労働時間を延長することができる場合において、当該日本郵政公社職員であって小学校就学の始期に達するまでの子を養育するもの(第十七条第一項の規定を適用するとしたならば同項各号のいずれにも該当しないものに限る。)が当該子を養育するために請求した場合で業務の運営に支障がないと認めるときは、その者について、制限時間を超えて当該労働時間を延長して勤務しないことを承認しなければならない。

20 前項の規定は、日本郵政公社職員であって要介護家族を介護するものについて準用する。この場合において、同項中「第十七条第一項」とあるのは「第十八条第一項において準用する第十七条第一項」と、「同項各号」とあるのは「第十八条第一項において準用する第十七条第一項第一号又は第三号」と、「当該子を養育する」とあるのは「当該要介護家族を介護する」と読み替えるものとする。

21 地方公務員法第六条第一項に規定する任命権者又はその委任を受けた者(地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第三十七条第一項に規定する県費負担教職員については、市町村の教育委員会)は、地方公務員法第四条第一項に規定する職員について労働基準法第三十六条第一項本文の規定により同項に規定する労働時間を延長することができる場合において、当該地方公務員法第四条第一項に規定する職員であって小学校就学の始期に達するまでの子を養育するもの(第十七条第一項の規定を適用するとしたならば同項各号のいずれにも該当しないものに限る。)が当該子を養育するために請求した場合で公務の運営に支障がないと認めるときは、その者について、制限時間を超えて当該労働時間を延長して勤務しないことを承認しなければならない。

22 前項の規定は、地方公務員法第四条第一項に規定する職員であって要介護家族を介護するものについて準用する。この場合において、前項中「第十七条第一項」とあるのは「第十八条第一項において準用する第十七条第一項」と、「同項各号」とあるのは「第十八条第一項において準用する第十七条第一項第一号又は第三号」と、「当該子を養育する」とあるのは「当該要介護家族を介護する」と読み替えるものとする。

23 農林水産大臣等は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する給特法の適用を受ける国家公務員であって第十九条第一項の規定を適用するとしたならば同項各号のいずれにも該当しないものが当該子を養育するために請求した場合において、公務の運営に支障がないと認めるときは、深夜(同項に規定する深夜をいう。以下この条において同じ。)において勤務しないことを承認しなければならない。

24 前項の規定は、要介護家族を介護する給特法の適用を受ける国家公務員について準用する。この場合において、同項中「第十九条第一項」とあるのは「第二十条第一項において準用する第十九条第一項」と、「同項各号」とあるのは「第二十条第一項において準用する第十九条第一項各号」と、「当該子を養育する」とあるのは「当該要介護家族を介護する」と読み替えるものとする。

25 独立行政法人通則法第二条第二項に規定する特定独立行政法人の長は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する特定独立行政法人職員であって第十九条第一項の規定を適用するとしたならば同項各号のいずれにも該当しないものが当該子を養育するために請求した場合において、業務の運営に支障がないと認めるときは、深夜において勤務しないことを承認しなければならない。

26 前項の規定は、要介護家族を介護する特定独立行政法人職員について準用する。この場合において、同項中「第十九条第一項」とあるのは「第二十条第一項において準用する第十九条第一項」と、「同項各号」とあるのは「第二十条第一項において準用する第十九条第一項各号」と、「当該子を養育する」とあるのは「当該要介護家族を介護する」と読み替えるものとする。

27 日本郵政公社の総裁は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する日本郵政公社職員であって第十九条第一項の規定を適用するとしたならば同項各号のいずれにも該当しないものが当該子を養育するために請求した場合において、業務の運営に支障がないと認めるときは、深夜において勤務しないことを承認しなければならない。

28 前項の規定は、要介護家族を介護する日本郵政公社職員について準用する。この場合において、同項中「第十九条第一項」とあるのは「第二十条第一項において準用する第十九条第一項」と、「同項各号」とあるのは「第二十条第一項において準用する第十九条第一項各号」と、「当該子を養育する」とあるのは「当該要介護家族を介護する」と読み替えるものとする。

29 地方公務員法第六条第一項に規定する任命権者又はその委任を受けた者(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第三十七条第一項に規定する県費負担教職員については、市町村の教育委員会)は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する地方公務員法第四条第一項に規定する職員であって第十九条第一項の規定を適用するとしたならば同項各号のいずれにも該当しないものが当該子を養育するために請求した場合において、公務の運営に支障がないと認めるときは、深夜において勤務しないことを承認しなければならない。

30 前項の規定は、要介護家族を介護する地方公務員法第四条第一項に規定する職員について準用する。この場合において、前項中「第十九条第一項」とあるのは「第二十条第一項において準用する第十九条第一項」と、「同項各号」とあるのは「第二十条第一項において準用する第十九条第一項各号」と、「当該子を養育する」とあるのは「当該要介護家族を介護する」と読み替えるものとする。

 

第六十二条(罰則)

 第五十三条第五項において準用する職業安定法第四十一条第二項の規定による業務の停止の命令に違反して、労働者の募集に従事した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 

第六十三条

 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

 一 第五十三条第四項の規定による届出をしないで、労働者の募集に従事した者

 二 第五十三条第五項において準用する職業安定法第三十七条第二項の規定による指示に従わなかった者

 三 第五十三条第五項において準用する職業安定法第三十九条又は第四十条の規定に違反した者

 

第六十四条

 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。

 一 第四十二条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

 二 第四十九条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

 

第六十五条

 第五十三条第五項において準用する職業安定法第五十条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は第五十三条第五項において準用する同法第五十条第二項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

 

第六十六条

 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第六十二条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

 

第六十七条

 第四十一条の規定により厚生労働大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかったときは、その違反行為をした指定法人の役員は、二十万円以下の過料に処する。

  

附 則  抄

 

第一条(施行期日)

 この法律は、平成四年四月一日から施行する。

   

附 則 (平成一六年一二月八日法律第一六〇号) 抄

 

第一条(施行期日)

 この法律は、平成十七年四月一日から施行する。

 

第二条(検討)

 政府は、この法律の施行後適当な時期において、第一条の規定による改正後の育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「新法」という。)の施行状況を勘案し、期間を定めて雇用される者に係る育児休業等の制度等について総合的に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 

第三条(育児休業の申出に関する経過措置)

 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後において新法第五条第三項の規定による育児休業をするため、同項の規定による申出をしようとする労働者は、施行日前においても、同項及び同条第四項の規定の例により、当該申出をすることができる。

 

出典 から抜粋・編集

 

 

 


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